トリメチレンメタン硫黄類似体の化学

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  • Chemistry of Sulfur Analogue of Trimethylenemethane
  • トリメチレンメタン イオウ ルイジタイ ノ カガク

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抄録

トリメチレンメタン硫黄類似体であるチオキシアリル体について,MCSCF法による理論計算を行なうと,1B1 stateが1A1 stateより安定であるという結果が得られた。テトラメチルアレンエピスルフィド[5],テトラメチル-1-ピラゾリン-4-チオン[6]の気相および溶液中熱反応により,2,4-ジメチル-1,3-ペンタジエン-3-チオール[7]が得られた。これから,1B1stateに相当するチオキシアリル体[8]が反応中に生成すること,また,各state間の安定性がMCSCF法の結果と一致することが示された。<BR>速度論的考察から,[5]から[8]の生成は,一次の単分子的C-S結合開裂で進む。[5]および[6]とカルボニル化合物の熱反応の結果は,チオキシアリル体[8]がビラジカル体であることを示している。シクロプロペンチオン[15]とイソベンゾフランの反応は,ベンゾチオフェン誘導体[19]を生成する。この反応は,シクロプロパンチオン[16]の生成とその分解によるビラジカルとしてのチオキシアリル体[18]の生成を経ていると考えられる。

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