n,n-ジハロビシクロ[n-3. 1. 0]アルカンの接触水素化分解

書誌事項

タイトル別名
  • Catalytic Hydrogenolysis of n, n-Dihalobicyclo [n-3. 1. 0] alkanes

抄録

n, n-ジハロビシクロ[n-3. 1. 0]アルカン(n=6, 7, 9)のフッ素, 塩素および臭素置換体をパラジウム-活性炭(Pd-C)およびRaneyニッケル触媒を用い, メタノール溶媒, 常温常圧で水素化し, 開裂位置選択におよぼすハロゲンの効果を検討した。また, 数種のアミンを添加してその影響を調べた。フッ素置換体はPd-Cを用いるとn=6, 7, 9いずれも縮合位結合が開裂し環拡大生成物を与え, Raneyニッケルを用いるとn=6のみが反応して環拡大した。アミンの添加は反応を抑制し, その効果はアミンの吸着の強さの順に大きかった。塩素置換体はPd-Cを用いると反応性が低く, n=6のみが環拡大した。Raneyニッケルを用いるとアミンの存在下でn=6, 7, 9いずれもC-Cl結合が開裂してモノクロロシクロプロパンを与え, 少量のメチルシクロアルカンをともなった。臭素置換体n=7, 9はPd-C, RaneyニッケルによりC-Br結合が開裂してモノブロモシクロプロパンを与え, メチルシクロアルカンをともなった。これらの差異は, ハロゲン置換によるシクロプロパン環のひずみの度合と, ハロゲンの触媒への吸着の強さの二つの因子の寄与の程度の相違によると考えられる。

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