臭化水素酸の電気分解

書誌事項

タイトル別名
  • Electrolytic Decomposition of Aqueous Hydrogen Bromide

説明

熱化学的水素製造法の水素発生反応の一つである臭化水素酸の電気分解について,陽陰両極での平衡電位の測定と白金電極での速度論的検討を濃厚溶液を対象にし,25~50℃で行なった。<BR>水素電極平衡電位は,臭化水素濃度の増加とともに貴に移行し,その共沸組成液では150mVを越えている。臭素電極平衡電位は,臭化水素濃度増加,臭素濃度減少,あるいは温度上昇によって卑に移行し,25℃で,mHBrが10.5molkg-1,mBr2が0.1~1.Omolkg-1の条件では,850mV±15mV程度である。臭素は臭化水素酸中でほとんどBr3-とBr5-で存在すると推定され,臭素活量がきわめて小さいと考えられる。<BR>白金電極での水素過電圧は30mV/decadeの傾きをもつTafel式にしたがい,他の酸性溶液での水素発生反応と同様な分極特性を示した。臭素電極反応は可逆的に進み,100mAcm-2の電流密度まで電流一電位の直線関係を有する分極特性を示し,電解液をかきまぜれば,1000mAcm-2でも拡散限界電流密度が現われず,臭素発生反応の過電圧が水素発生反応の過電圧より小さい特徴を示した。

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