ナイロン6繊維のα,β,γ 分散におよぼず冷延伸,熱処理の影響

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  • Influence of Cold-drawing and Annealing on α-, βt-, and γ-Dispersions on Nylon 6 Fiber
  • ナイロン6繊維のα,β,γ分散に及ぼす冷延伸,熱処理の影響

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説明

ナイロン6繊維のα,β,γ 分散の挙動におよぼす冷延伸,熱処理の影響を調べた。各種倍率の冷延伸と乾熱処理とを組み合わせ調製した履歴の異なる15種類の試料の間に生ずる微細構造の差異は複雑に各分散の形状,温度位置および見かけの活性化エネルギーに影響をおよぼす。これらの差異を,本報と同一方法で調製したナイロン6繊維についてこれまで報告してきた微細構造と物理的,力学的性質に関する知見を用いて検討した。その結果,つぎのような事実が確認された。<BR>(1)α 分散のピーク温度がもつとも処理履歴の相違に敏感で,β,γ 分散になるにしたがいその影響が小さくなる。同様な傾向が分散の見かけの活性化エネルギー値の比較にもみられ,分散に関与する運動単位が大きいほど強い影響を示すことがわかつた。(2)β 分散のピーク強度は冷延伸によつて増大し,熱処理によつて減少するが,これを水素結合の切断と生成に基づく自由なアミド基の増減の結果とみなすことができる。(3)γ 分散のピーク強度がもつとも強く配向に依存する。

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