1-メチルピペラジン類エナミンを経由するアルデヒド類の光学活性化

書誌事項

タイトル別名
  • Optical Activation of Some Chiral Aldehydes via 1-Methylpiperazine Enamines
  • 1‐メチルピペラジン類エナミンを経由するアルデヒド類の光学活性化

説明

α-位に不斉炭素をもつアルデヒド類のキラルなエナミンを経由する光学活性化を行なった。アミン成分として,(S)-3-イソプロピル-1-メチルピペラジン〔2〕,および(S)-2-イソプロピル-1-メチルピペラジン〔1〕を,天然アミノ酸から合成した。これらをアルデヒドと脱水縮合してエナミンを合成し,酸加水分解により光学活性化されたアルデヒドを回収した。その結果,置換基の位置が第二級窒素原子から離れている〔1〕を用いる方が,〔2〕を用いるよりもかえって光学収率が高く,また,加水分解に用いる酸濃度によらず,ほぼ一定値となることがわかった。反応中間体である〔1〕のエナミンのイミニウム塩の1H-NMR測定によって,イミニウム塩の配座が分子内のアルキル-フェニル基間の引力的疎水性相互作用(CH-π 相互作用)により固定化ぎれることが,その理由の一つであろうと推定した。また,光学活性化の機構も,〔2〕を用いた場合に速度論支配であったものが,〔1〕を用いた場合には熱的平衡が関与してくることが,重水素標識実験から確認された。この事実も,CH-π 相互作用によるイミニウム塩の安定化によって説明される。'

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