MOCVD法によるLiNbO3薄膜の合成

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タイトル別名
  • Preparation of LiNbO3 Thin Films by Metal-Organic Chemical Vapor Deposition

抄録

出発原料としてリチウムおよびニオビウムのβ-ジケトン錯体を用いた減圧MOCVD法により,ニオブ酸リチウム薄膜を合成した。[Nb(C11H19O2)Cl3]からNb205膜の生成は熱分解反応が主反応であるが,[Li(C11H19O2)]からLi2O膜の場合は熱分解と酸化反応が併発する。基板表面での化学反応の活性化エネルギーの値は,前者の反応で21.2kcal/mol,後者の反応で44.4/molが得られた。Li20とNb2O5の同時析出において,[Li(C11H19O2)]からLi2Oへの反応率が低下するため,LiNbO3膜の合成には[Li(C11H19O2)]を過剰に供給する必要があった。基板温度625~650℃,全ガス流量300ml/min,酸素濃度50%,圧力5Torrの条件で,Nb205とLi2Oのモル基準での析出速度比r=R(Nb205)/R(Li20)が0.4のとき,化学量論組成で三方晶単一相のLiNbo3膜が得られた。LiNbO3膜は石英基板上では無配向であったが,Si(100)基板上では(012)面に優先的に配向し,LiTaO3(001)上では(001)面にエピタキシャルに成長した膜が得られた。

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被引用文献 (1)*注記

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