溶融炭酸塩型燃料電池のカソードの溶出挙動

  • 河西 英一
    石川島播磨重工業株式会社技術本部燃料電池開発部
  • 鈴木 彰
    石川島播磨重工業株式会社技術本部燃料電池開発部
  • 佐藤 誠二
    石川島播磨重工業株式会社技術本部燃料電池開発部

書誌事項

タイトル別名
  • Investigation of Cathode Dissolution in Molten Carbonate Fuel Cell
  • ヨウユウ タンサンエンガタ ネンリョウ デンチ ノ カソード ノ ヨウシュツ

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抄録

溶融炭酸塩型燃料電池のカソード材料は, 現在 Li がドープされた NiOが広く用いられているが, これは長時間の使用中, 徐々に電解質中へ溶出する。著者らは並流タイプの燃料電池において, この現象を検討した。その結果 Ni の溶出量または Ni の析出量とカソードガス中の CO2 分圧の影響を報告例のある直交流と同様, 並流においても確認した。さらに電池温度の溶出量に対する影響を検討すると低温側で溶出量の増大傾向が見られた。これは太田らの報告した NiO の平衡溶解度の温度依存性とよい一致を示したら水素分圧の影響は, 確認できなかった。溶出量の時間に対する相関は時間の平方根に対してよい直線相関が見られた。また, これらの影響を補正した上で, カソード中の炭酸塩の含有率が溶出量に関与する傾向も認められた。以上 NiO の溶出に関しては, ガス組成, 温度などの運転条件や, 電池の形態が密接に関与することが示唆された。これらのことからカソードの長寿命化に対して, より最適な条件への指針が得られると期待される。

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