鉄窒化物超微粒子の合成と磁気特性

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タイトル別名
  • Synthesis and Some Magnetic Properties of Iron Nitride Particles
  • テツ チッカブツ チョウ ビリュウシ ノ ゴウセイ ト ジキ トクセイ

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説明

高密度磁気記録媒体用の新しい磁性材として鉄窒化物を2種類の方法で合成し,得られた生成物の磁気特性を調べた。まず初めに,金属鉄をアンモニア,水素の混合ガス中で窒化する方法を検討した。針状の鉄微粒子を原料として用い反応温度400℃,反応時間3時間でアンモニアー水素混合ガス雰囲気で窒化した場合,アンモニア濃度65~80%の範囲で,原料の形状をたもった針状γ′-Fe4Nが生成した。得られたγ′-Fe4Nの磁気特性は抗磁力が600~700Oe,飽和磁化が110~120emu/gであった。この値は現在実用に供されているCo-被着型γ-Fe2O3にくらべ抗磁力で同等,飽和磁化で40~50%大きくなっており,高密度磁気記録用磁性材として適当なものである。<BR>つぎに鉄窒化物の新しい合成法としてFeCl2-NH3系の気相反応法を検討した。反応温度780,880℃ ではε-Fe3Nとα-Fe,反応温度980℃ではγ′-Fe4N,γ-Fe,α-Feが生成した。生成物の磁気特性は,いずれの反応温度の場合でも抗磁力は約2000eと針状のFe4Nよりも低い値となった。原因としては,生成物の形状がいずれの反応温度の場合でも板状もしくは粒状となっているため形状による異方性が小さくなったためであろうと考えている。

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