リチウムイオン電池の劣化過程における電極のキャラクタリゼーション

書誌事項

タイトル別名
  • Characterization of Electrode Materials during Degradation Process of Li-ion Batteries

説明

正極にLiMn2O4を,負極にグラファイトを用いたリチウムイオン電池は,エネルギー密度と出力密度が大きい点で自動車用駆動源として期待されている.しかし,自動車用途では低温から高温までの広い範囲で電池が使用されるため,特に高温領域におけるサイクル劣化が問題になる.45 °Cの温度条件下でサイクル劣化を起こしたリチウムイオン電池に対して,正負極の劣化状態について解析した.<br>  正極の構造変化についてESRとNMRを用いて解析したところ,スピネル型LiMn2O4は,ヤーン · テラー効果により正方晶Li2Mn2O4に変化したことが確認された.スピネル型LiMn2O4に比べて正方晶Li2Mn2O4ではリチウムの拡散が遅くなることから,この結晶の転移が容量低下と内部抵抗の上昇の一因となっているものと考えられた.<br>  また負極表面では,サイクル劣化により新たな皮膜が形成されていることがXPS測定により確認できた.この皮膜には電解質であるLiPF6の分解成分が含まれていたために,皮膜が厚くなることが電池の内部抵抗上昇の一因になっているものと考察された.

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参考文献 (12)*注記

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