ナイロン66の固体状態における重合

  • 藤本 明男
    旭化成工業株式会社エンジニアリング樹脂工場 現在旭化成工業株式会社樹脂技術センター
  • 森 武利
    現在旭化成工業株式会社和歌山工場
  • 蛭田 史郎
    現在旭化成工業株式会社開発技術本部

書誌事項

タイトル別名
  • Solid Polymerization of Nylon 66 -Study on the Polymerization of Nylon. II.-
  • ナイロン66 ノ コタイ ジョウタイ ニ オケル ジュウゴウ
  • Solid polymerization of Nylon 66.

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抄録

ナイロン66ペレットを用いてポリマー融点より低い温度領域で重縮合反応を行なう「固相重合」について,反応の進行,ポリマー重合度に影響をおよぼす技術変数,固体ポリマーの形態による不均一反応の可能性を検討した。<BR>ポリマー重合度のパラメーターである相対粘度は,ペレットの初期水分に関係なく加熱時間に対し直線的に増大し,反応速度は温度によって一義的に決まる。<BR>固相重合したペレットを再溶融すると190℃ 以下の温度で固相重合したものは相対粘度が増大し,200℃ 以上の固相重合ポリマーでは相対粘度の低下が見られた。比較的低い固相重合温度ではペレットの乾燥速度が重縮合反応速度に対してすみやかで,乾燥が先行するため,再溶融時にさらに重縮合が進行するが,高温で固相重合を行なった場合は重縮合反応速度がペレットの乾燥に迫随できる程度に速く,再溶融の高い温度における重縮合平衡定数の低下により重合度が低くなるものと考えられる。<BR>大口径モデルロッドを固相重合し,半径方向の相対粘度分布を測定したところ,表面層と中心部において相対粘度が高く,中間部は低い傾向が見られた。しかしながら,小粒のペレットではこのような相対粘度の分布は認められなかった。

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