書誌事項
- タイトル別名
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- Preparation of Aluminium Orthophosphates in Organic Solvents and Their Properties
抄録
有機溶媒を用い,80~120℃ の温度領域でのリン酸と水酸化アルミニウムとの反応による結晶性オルトリン酸アルミニウムの合成法について検討した.有機溶媒の種類,水分量,加熱温度および加熱時間について検討した・また,得られた生成物のSEM観察,TG-DTA,固体表面酸性質,粒子径,比表面積およびアンモニアガスの吸着について検討した.1)オルトリン酸アルミニウム AlPO4(berlinite,tridymite型,cristobalite型およびA型)は,オルトリン酸アルミニウム・二水和物 AlPO4・2H2O(metavariscite)の脱水を経て生成した.metavarisciteの脱水条件を調整するのに,有機溶媒は大変有効であった.metavarisciteは,水と有機溶媒との混合溶媒を用いることにより従来の合成法に比較し短時間で合成することができた.有機溶媒としては,沸点が100℃ 前後の水に不溶あるいはわずかに溶ける溶媒が有効であった.metavarisciteは AlPO4:Al(OH)3;H2O:有機溶媒(モル比)=O.33:0.30:4 .0:1.5の条件で,15時間以上かきまぜながらの加熱還流により最もよく生成した.AIPO4の各結晶形は以下のような反応条件で得られた.berliniteは1-ブタノールを用いてH3PO4およびAl(OH)3を上記と同様の割合で混合し,12時間の加熱還流後,12時間脱水を行うことによって,またcristobalite型はイソブチルメチルケトンを用いて同様の混合割合で,20時間加熱還流後,6時間脱水を行うことによって生成した.tridymite型はO'型-P2O5を加えた1-ブタノール中で,metavarisciteを48時間脱水することにより,A型は水洗したmetavarisciteを1-ブタノール中で6時間脱水することにより生成した.2)有機溶媒は,粒子径が3~12μmの微細な結晶性オルトリン酸アルミニウムを合成するのに有効であった.本方法により合成したcristobalite型およびtridymite型は,酸量,比表面積,アンモニアガス吸着量共に乾式法による生成物と比較し良好な結果を示した.
収録刊行物
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- 日本化学会誌(化学と工業化学)
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日本化学会誌(化学と工業化学) 1995 (9), 681-688, 1995-09-10
公益社団法人 日本化学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204390081152
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- NII論文ID
- 130004160365
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- ISSN
- 21850925
- 03694577
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可