メラミンシアヌレートの熱分解挙動

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  • Thermal Decomposition Behavior of Melamine Cyanurate

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ポリアミド系樹脂に対し非常に有効な防燃剤であるメラミンシアヌレートの熱分解について研究を行った。メラミンシアヌレートは加熱により徐々に水素結合が伸び, 360℃ 付近でその水素結合の一部が切断される。この温度では,メラミンシアヌレートから対応する等モル量のメラミンとシアヌル酸が生じるわけではない。メラミンシアヌレートの熱分解はアソモニア,水,二酸化炭素,シアン酸,メラミソ,シアヌル酸のような揮発,または昇華化合物の形成を導く。これらのほかに揮発成分としてシアン酸アンモニウムやメラミンシアヌレートの形成が確認された。シアン酸アンモニウムはメラミソシアヌレートから直接生じたのではなく,熱分解で生じたアンモニアとシアン酸との気相反応によるものである。一方,メラミンシアヌレートはそれ自身が昇華して形成したのではなく,熱分解により発生したメラミンとシアヌル酸の気相反応で生じたものである。また,残留したメラミンシアヌレートは 420-450℃ で縮合し, 450℃ 以上で非晶質体へと転換した。メラミンシアヌレートの熱分解挙動を結晶構造,熱分解生成物の観点から議論した。

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