2-アミノピリミジン/酢酸系における水素結合体およびイミノ形互変異性体に関する分光学的研究

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タイトル別名
  • Spectroscopic Studies on Hydrogen Bonding and Imino-Tautomer Formation in the 2-Aminopyrimidine/Acetic Acid System

抄録

イソオクタン溶媒中, 室温付近における, 2-アミノビリミジン (2APM) /酢酸系の水素結合相互作用とアミノ-イミノ互変異性体形成について, 1-メチル-2 (1H) の-ピリミジンイミン (MPMI) と比較して, 主として, UVおよび蛍光スペクトルにより検討した. さらに, これらスペクトルに見られる振電帯についても, IRおよびラマンスペクトルを併用して, 詳細に検討した. UVスペクトルの測定結果から, 2APM/酢酸系において基底状態では, 1: 1アミノ形水素結合体が形成され, 平衡定数とエソタルビー変化の値がそれぞれ, (6.9±3.7)×102dm3 mol-1 (20℃) , 50.6±0.8kJmol-1と見積もられた. 蛍光スペクトルの測定結果から, 2APM/酢酸系において, 酢酸の濃度を増すと, 通常の蛍光よりも長波長側458nm付近に, 新たな振動構造をもつスペクトルを見いだした. このスペクトルは, MPMIの蛍光スペクトルと同様な波長位置と形状を示すので, 2APMと酢酸間で水素結合を通して励起一重項状態で形成された2 (1H) -ピリミジンイミン (イミノ形互変異性体) によるものと帰属された. さらに, その互変異性体およびMPMIの蛍光における振電帯は, ともに主として, C=N結合および環C=C, NC2, N-C6結合の伸縮振動と, N-H結合および環C-H結合の面内変角振動からのものに帰属されることを示した.

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被引用文献 (1)*注記

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