パラジウムおよびニッケルを担持した活性炭素繊維不織布の空気極特性

書誌事項

タイトル別名
  • Air Electrode Properties of an Active Carbon Fiber Felt with Pd and Ni Deposits

抄録

Pd(II) および Ni(Il) イオンは活性炭素繊維不織布 (KF-felt) に Freundlich 式にしたがって吸着した。Pd および Ni 金属担持 KF-felt を空気極にセットし, 亜鉛を参照極としてその放電特性を調べた。この亜鉛-空気電池の V-i 曲線に基づき求めた電力-電流曲線の最大値 (Pmax) は Ni では担持量とともに 50mg/g-felt 担持まで直線的に増加した. Pd の場合, Pmax は 18mg/g-felt ですでにち最高値に達し, 112mg/g-felt 担持まで一定であった。0.75V 一定電圧下で電流密度の温度および酸素分圧 (Po2)依存性を測定し, 酸素極での酸素分子活性化過程の速度論的検討を行なった:電流密度は温度に対し Arrhenius 式にしたがって, また, 酸素分圧に対して Langmuir 式にしたがって変化した。これらの関係から, Pd (18mg) および Ni (50mg)/KF-felt に対する見かけ活性化熱 (Ea) は 27 と 24kJ/mol, 酸素分子吸着平衡定数に関する量 (b) は 3.3 と3.1atm-1, また, 見かけ反応速度定数と単分子層吸着量の積 (k0・a) に関する値は 83 と 26(mA/cm2) のように求められた。pt(163mg)/KF-felt については, Ea=20kJ/mol, b=O.34atm-1, k0a=167mA/cm2 が求まっている。Pt では Ni および Pd にくらべ活性化熱は低く, 速度定数に関する量は大きくなっているが,O2 吸着平衡量が非常に小さいことがわかる。以上のことから, Pd は Pt にくらべても少星担持 (2.4mg/cm2) で優れた触媒作用を示すことが明らかとなった。

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