動脈瘤クリッピング手術におけるadenosine triphosphate (ATP) による一時心停止を用いた動脈瘤減圧の有用性

  • 新谷 好正
    小樽市立脳・循環器・こころの医療センター脳神経外科
  • 伊東 雅基
    小樽市立脳・循環器・こころの医療センター脳神経外科
  • 井戸坂 弘之
    小樽市立脳・循環器・こころの医療センター脳神経外科
  • 中林 賢一
    小樽市立脳・循環器・こころの医療センター麻酔科
  • 卯月 みつる
    小樽市立脳・循環器・こころの医療センター麻酔科
  • 新谷 知久
    札幌医科大学麻酔科
  • 早瀬 知
    札幌医科大学麻酔科
  • 馬渕 正二
    小樽市立脳・循環器・こころの医療センター脳神経外科

書誌事項

タイトル別名
  • Efficacy of Adenosine Triphosphate-induced Transient Cardiac Arrest for Deflation of Cerebral Aneurysms during Clipping Surgery

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説明

脳動脈瘤の開頭手術において, クリッピングのために瘤の減圧を要する場面に時折遭遇するが, 母血管の一時遮断が困難な例がみられる. そのような例に房室伝導を強力に抑制する作用をもつadenosine triphosphate (ATP) の急速静注による短時間の循環停止 (transient cardiac arrest : TCA) 法が有効である. 経験した全例において短時間の心停止に伴う動脈瘤の著明な減圧が得られ, 安全なクリッピングに大きく寄与した. 合併症はみられなかった. TCA法に習熟した麻酔科医との緊密な連携が不可欠であるが, 本法は母血管の一時遮断に並んで考慮すべききわめて有用な方法である.

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参考文献 (33)*注記

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