症候性仙骨神経根嚢腫の2手術例

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  • Surgical Treatment of Symptomatic Sacral Perineural Cyst : A Report of Two Cases

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症候性仙骨神経根嚢腫の2手術例を報告し,若干の文献的考察を加えた.症例1は41歳の女性で,3カ月にわたる両側S2領域の電撃痛をきたしており,MRIで両側S2レベルに仙骨神経根嚢腫が認められた.手術はL5-S4椎弓切除後に嚢腫壁を一部切除して縫縮した.症例2は38歳の女性で,4カ月にわたる左S2領域の疼痛,重苦感と頻尿をきたしており,MRIで左S2レベルに仙骨神経根嚢腫が認められた.手術は左S2椎弓半切除後に嚢腫壁の電気刺激によるモニタリングを併用しつつ,嚢腫壁を電気焼灼し退縮させた.両症例とも術後症状は改善したが,症例1では術後に髄液漏を併発し,再手術を行って瘻孔を閉鎖した.菲薄化した嚢腫壁を切除すると,術後髄液漏を併発する危険性があり,誘発筋電図のモニタリング下に嚢腫壁を電気焼灼し退縮させる方法が,安全かつ簡便であると考えられた.また手術にあたっては,罹患神経根周囲の椎弓半切除で十分と考えられた.

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参考文献 (12)*注記

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