Neuro-Vascular Developmental Interaction : 胎生期の脳血管発生の特殊性 (Part 2) 胎児の脳血管障害の特殊性 : 臨床例の分析

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  • Neuro-Vascular Developmental Interactions : Specific Forms of Vascular Maldevelopment in the Malformed Brain. Part 2. Fetal Cerebrovascular Diseases : Analysis of Clinical Cases

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抄録

胎児の脳血管の発達障害とその臨床的意義を明確にするとともに,ニューロンの成熟段階と対比しつつ,脳血管の形成障害や胎生期脳血管閉塞性病巣の発生時期と病因・病態につき検討した.胎生期初期には,脳血管の発生と発達はニューロンの成熟過程と密接な相関性あるいは相互干渉を保つもので,そのいずれか一方に障害が発生した場合には,他方にも異常を生ずることが示された.そしてそこに生ずる脳形成不全あるいは脳血管の形成障害は,大きく時期特異的に影響を受けるものであり,prevascu1ar periodでは前者が,vascular periodでは主として後者がprimary lesionとなって二次的にそれぞれの形態異常(奇形)を生じていくものである.今回の臨床例の分析結果は,これまでに報告した実験結果(Part1)にも示唆されたこのようなニューロン成熟過程と脳血管の発生・発達の相互関係を強く支持するものである.この概念は,胎生期の奇形発生の発生学的特殊病態として捉えられるべきものであり,われわれはこの現象を仮に"neuro-vascular developmental interaction;NVDI(神経血管系発達の相互干渉)"と呼び,これがさらに胎生期の脳血管障害における特異的現象であることを強調した.

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