てんかん外科における海馬周辺の解剖と手術(<特集>側頭葉とその周辺の解剖と手術I-第25回微小脳神経外科解剖セミナー合同セッションより-)

  • 岩崎 真樹
    東北大学大学院医学系研究科神経外科学分野
  • 冨永 悌二
    東北大学大学院医学系研究科神経外科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Surgical Anatomy of the Temporal lobe and Hippocampus in Epilepsy Surgery(<SPECIAL ISSUES>Anatomy and Operation of the Temporal Lobe and its Vicinity I)

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抄録

海馬切除はてんかん外科において最も汎用される手技の一つである.本稿では経シルビウス裂的選択的扁桃体海馬切除術を中心に扁桃体海馬切除に必要な解剖を概説した.シルビウス裂を剥離してから島限を切開し,側頭葉上面に平行に吸引を進めると側脳室が開放される,シルビウス裂を大きく開放し中大脳動脈に可動性をもたせることで,海馬の大きな視野が得られる.扁桃体を切除する際は鉤回の軟膜越しに前脈絡動脈の走行を必ず確認する.海馬切除では,海馬への血管を海馬溝で切断し,海馬と海馬傍回を軟膜下に剥離して一塊に摘出する.海馬溝での血管処理以外は軟膜下操作に努めることで,脳幹や迂回槽の血管を損傷せずに安全な手術を行える.

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参考文献 (27)*注記

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