歯周病におけるプロービングデプス,アタッチメントレベルの臨床的意義に関する研究

  • 友藤 孝明
    岡山大学大学院医歯学総合研究科 社会環境生命科学専攻 長寿社会医学講座 口腔保健学分野
  • 東 哲司
    岡山大学大学院医歯学総合研究科 社会環境生命科学専攻 長寿社会医学講座 口腔保健学分野
  • 草野 弘揮
    岡山大学大学院医歯学総合研究科 社会環境生命科学専攻 長寿社会医学講座 口腔保健学分野
  • 山本 龍生
    岡山大学大学院医歯学総合研究科 社会環境生命科学専攻 長寿社会医学講座 口腔保健学分野
  • 多田 徹
    パートナーズ・クリニック伊島
  • 森田 学
    北海道大学大学院歯学研究科 口腔健康科学講座
  • 渡邊 達夫
    岡山大学大学院医歯学総合研究科 社会環境生命科学専攻 長寿社会医学講座 口腔保健学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Role of Measurements of Probing Depth and Attachment Level in Periodontal Patients

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説明

プロービングデプスとアタッチメントレベルは, 臨床指標としてよく用いられる。本研究では, メインテナンスに移行した歯周病患者における, プロービングデプスとアタッチメントレベル計測の臨床的な意義を検討した。メインテナンス期にある193名の歯周病患者 (平均年齢 ; 61.7歳, 男性77名, 女性116名) を対象にした。プロービングデプスとアタッチメントレベルを, 1歯6点法で計測し, 年齢, 性別, プロービング時出血および動揺の有無との関連を評価した。1人あたりの平均プロービングデプスとアタッチメントレベルは, それぞれ1.89mmと2.75mmであった。アタッチメントレベルでは年齢との相関 (r=0.36, p < 0.001) が認められたが, プロービングデプスと年齢の間には, 相関はなかった。また, 出血のある部位のプロービングデプスとアタッチメントレベルの平均値は, 出血のない部位よりもそれぞれ大きな値となった (p < 0.001)。さらに, 重回帰分析から, 歯の動揺度に対するアタッチメントレベルの影響力が, プロービングデプスより大きいことも示された。これらの結果は, プロービングデプスは歯周病の活動性を, アタッチメントレベルは歯周病の重症度を示す指標であることを示唆している。歯周状態の把握は, 活動性と重症度の両面から考慮されるべきなので, プロービングデプスとアタッチメントレベル双方の測定がメインテナンス時に不可欠である。

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被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (28)*注記

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