偽腔早期血栓閉塞型の急性A型大動脈解離に対する治療戦略
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- 近藤 智昭
- Department of Cardiovascular Surgery, Mie General Medical Center
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- 真栄城 亮
- Department of Cardiovascular Surgery, Mie General Medical Center
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- 井上 健太郎
- Department of Cardiovascular Surgery, Mie General Medical Center
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- 鈴木 仁之
- Department of Cardiovascular Surgery, Mie General Medical Center
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- 藤永 一弥
- Department of Cardiovascular Surgery, Mie General Medical Center
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- 矢田 真希
- Department of Cardiovascular Surgery, Mie General Medical Center
書誌事項
- タイトル別名
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- Management for Thrombotic Type A Acute Aortic Dissection
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説明
要 旨:【目的】急性A型大動脈解離の治療は,迅速な上行または上行弓部大動脈置換が基本とされているが,偽腔早期血栓閉塞型では必ずしも緊急対応が必要ではなく,大動脈に対する外科治療を行わなくても治癒する症例が存在する.同症例に対する急性期治療結果について検討し,治療方針の適応の妥当性と問題点について明らかにした.【方法】対象は2004年1月から2011年9月に,急性期治療を行った急性A型大動脈解離75例中,偽腔早期血栓閉塞型症例21例.当科の基本方針は上行大動脈径が50 mm超,真腔狭小化例に対しては大動脈に対する外科治療を選択,上記以外は保存的治療を選択した.【結果】行った治療:手術治療(大動脈置換)は2例.一方,保存的治療を選択した症例は19例で,うち心タンポナーデを合併した10例には全例心タンポナーデ解除を行った後,安静+降圧療法を行い,残りの9例は安静+降圧療法のみであった.治療後の経過と結果:全例生存退院.保存的治療19例の上行大動脈の偽腔は,消失12例,縮小4例,偽腔は縮小したがAo径拡大1例,経過中再疎通し開存1例,不明1例であった.【結論】偽腔早期血栓閉塞型の2例に手術治療を,19例に保存的治療を選択し,全例救命できており,当科の治療戦略は妥当と考えられた.心タンポナーデ解除を行ったうえでの保存的治療は有効な救命手段と考えられた.
収録刊行物
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- 日本血管外科学会雑誌
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日本血管外科学会雑誌 22 (3), 623-627, 2013
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204413681792
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- NII論文ID
- 130004490483
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- ISSN
- 1881767X
- 09186778
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可