Storz内視鏡によって採取した自家静脈を使用した総大腿動脈–膝下部膝窩動脈バイパス術

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  • Endoscopic Saphenous Vein Harvesting with the Reusable KARL STORZ Retractor System for a Lower Extremity Bypass

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抄録

<p>下腿動脈バイパス術において大伏在静脈は確立されたグラフトであるが,長いもしくは複数の皮膚切開が必要である.冠動脈バイパス術において,内視鏡下大伏在静脈採取法は創合併症や美容面で優れ広く普及している.今回内視鏡下大伏在静脈採取による下腿動脈バイパス術を施行し報告する.症例は75歳男性,数年前から右下肢痛のため他院通院中であった.半年前に足趾の胼胝切除部が潰瘍化し,治癒傾向がなく紹介となった.ABIは右0.41, SPPは右足背部26 mmHg, 右足底部24 mmHgと低下し,下肢造影CTでは右浅大腿動脈末梢から膝窩動脈が閉塞していた.当院受診3日後に同側大伏在静脈をStorz内視鏡システムで採取した右大腿–膝下膝窩動脈バイパス術を施行した.術後経過は良好で術後4日に独歩退院し,安静時疼痛は消失し潰瘍は治癒した.内視鏡下大伏在静脈採取による下腿動脈バイパス術は,創合併症の回避と疼痛軽減が期待できる.</p>

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