現場利用を指向した水田水温の日変化推定モデル

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  • Field-use oriented Model for Estimation of Diurnal Variation of Water Temperature in a Paddy Field
  • ゲンバ リヨウ オ シコウ シタ スイデン スイオン ノ ニチヘンカ スイテイ モデル

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抄録

現場利用を指向した水田水温の日変化推定モデルを作成するとともに、2名の農家が管理する水田における実測値との比較からモデルの評価を行った。また、推定誤差の発生要因を考察するとともに、精度面から実用性を検討した。作成モデルは水温の日変化を良好に再現し、RMSE(二乗平均平方根誤差)および最大RMSEは、それぞれ1.2℃前後、2.26~2.58℃であったことから、水温管理に資する情報を提供する十分な精度を有すると判断した。しかしながら、午前4時前後および午後3時前後の推定値については最大3~4℃程度の大きな誤差を生じる日が確認され、それぞれ、地温の変動を正弦波により近似したこと、植被率を太陽高度によらず一定値で推定したことが原因と考えられた。また、作成モデルは、灌漑水が計測点に達するまでの時間遅れを無視しているため、湛水深がゼロに近い状態で灌漑された場合は、推定値が灌漑水の水温と等しくなり、最大5℃程度の誤差を生じた。一方、本研究ではモデルパラメータは主に文献値を、時系列の入力値は、湛水深、灌漑水流量に関しては農家の水管理記録による推定値を、地温についても推定値を用い、水温推定に必要なデータ収集の項目を削減することができた。

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