リモートセンシングを基盤技術とした生態系研究

書誌事項

タイトル別名
  • Ecosystem Studies Based on Remote Sensing
  • リモートセンシングを基盤技術とした生態系研究 : 衛星生態学へのアプローチ
  • リモートセンシング オ キバン ギジュツ ト シタ セイタイケイ ケンキュウ : エイセイ セイタイガク エ ノ アプローチ
  • -衛星生態学へのアプローチ-
  • - An approach to the satellite ecology -

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抄録

この報告は、リモートセンシング技術を使った生態系機能の計測について、筆者らのグループの研究の足跡について述べたものである。草地生態系に端を発し、農業、森林を経て里山に到る生態系研究のなかで、リモートセンシングと出逢い、これを基軸に衛星データを用いた新たな生態系研究の手法の可能性を探求した。衛星生態学の曙光は、西暦2000年頃を境に、衛星搭載センサの空間分解能(地上解像度)・分光分解能(観測スペクトルの多様化と細分化)、ならびに時間分解能(観測周期の短縮等)の飛躍的向上と軌を一にしている。これら衛星分解能の進化とハードウェア、ソフトウェア両面の革新に伴って、地上で実験的に把握できる生態学の成果を衛星リモートセンシングデータによって直接確認できるようになった。筆者は草原生態系、農業生態系、森林生態系ならびに里山生態系の実験生態学によって得られた各生態系機能情報と、衛星情報を比較・解析した。その際、生態系を分断・細分化して調べるのではなく、生態系のままの状態で解析することにより、生態系がもつ独自の機能が抽出できるのではないかと考えた。リモートセンシングは裾野の広い総合科学で、生態系機能を解析するには広汎な学問領域のシステム化が求められる。システム農学会が「農学関連諸科学の仮説、概念、原理、方法論などを既存の専門分野の壁を越えてシステム化し、研究課題の境界領域を拡大ないしは変更し、未領域科学としての農学の学際研究を推進すること」を目的とする点で、衛星生態学と考え方を共有する点が多い。

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