浮遊性胸部下行大動脈内血栓症の1 例

DOI
  • 阿部 陛之
    沖縄県立南部医療センター・こどもセンター心臓血管外科
  • 村上 優
    沖縄県立南部医療センター・こどもセンター心臓血管外科
  • 宗像 宏
    沖縄県立南部医療センター・こどもセンター心臓血管外科
  • 摩文仁 克人
    沖縄県立南部医療センター・こどもセンター心臓血管外科
  • 久貝 忠男
    沖縄県立南部医療センター・こどもセンター心臓血管外科

書誌事項

タイトル別名
  • Mobile Thrombus in Thoracic Descending Aorta as A Cause of Arterial Embolism

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抄録

要旨:79 歳男性.以前より糖尿病,高血圧を指摘されていた.今回,右側腹部痛を自覚し,近医受診した.造影CT にて右腎梗塞,上腸間膜動脈塞栓を認め,その際,胸部下行大動脈に20 mm 大の浮遊性の突出した血栓を認め,当科紹介となった.造影MRI にて周囲が造影された構造物を認めた.塞栓症状があり,診断的治療もかねて準緊急的に手術を行った.陰影欠損像は悪性腫瘍も鑑別に挙げられるため,大動脈壁を一塊に切除する方針とした.周囲との癒着は軽度であり,Direct-aortic echography および経食道エコーにてTh10 レベルに構造物を同定した.人工心肺補助下に大動脈を切除したところ,内部にカリフラワー状の構造物を認めた.病理所見では比較的新しい血栓であり,大動脈壁の内膜は平滑であった.術後26 日目に退院となった.浮遊性大動脈内血栓症に対して手術による切除を行った.再発なく術後1年を良好に経過している.

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