酢酸水溶液中における無機水銀(II)化合物の光メチル化反応

書誌事項

タイトル別名
  • Photochemical Methylation of lnorganic Mercuric Compounds in Aqueous Acetic Acid Solutions

抄録

塩化水銀(II)および酢酸水銀(II)の酢酸水溶液について,水銀の光メチル化反応性を比較検討し,光メチル化反応機構を考察した。<BR>ブラックライトランプによる照射実験において,塩化水銀(II)と酢酸水銀(II)との間には,各水溶液中におけるメチル水銀化合物の生成速度にいちじるしい差異のあることが認められた。また,酢酸水銀(II)の酢酸水溶液の紫外吸収スペクトルは塩化水銀(II)の酢酸水溶液のそれにくらべて長波長側にのびていることが認められた。光メチル化反応の波長依存性をモノクロメーターを用いて測定したところ,光メチル化反応の波長依存性スペクトル各水溶液の吸収スペクトルとの間には平行関係のあることが判明した。<BR>酢酸水銀(II)の酢酸水溶液の場合には,ガスクロマトグラフィー分析によって,光メチル化反応にともなって生成するガスは二酸化炭素,メタンおよびエタンであることが認められ,また,二酸化炭素の濃度が他の生成ガスにくらべて圧倒的に高いことが確かめられた。したがって,光メチル化反応は主としてケージ内反応(光脱カルボキシル化反応)によって進行するものと考えられる。

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