銅フタロシアニンブルー顔料の表面処理と界面電位の発生の機構 ―溶剤系における界面電位発生―

  • 大倉 研
    大日精化工業株式会社顔料応用技術研究所
  • 松崎 悟
    大日精化工業株式会社顔料応用技術研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between Surface Character of Copper Phthalocyanine Blue Pigment Particle and Surface Potential -Surface Potential in Solvents and/or Acry lic Monomers-

説明

分散安定性については,理論的解明が行われ報告も多角的にされており,応用的には実験およびその検証の段階であると言える。しかし非水系における懸濁液の界面電位の発生については,界面電位発生の支配要因であるイオン挙動が複雑であり研究報告が少ない。しかしながら,顔料の工業的用途は非水系であることが圧倒的に多く,この点から顔料の分散性の機構を非水系にて考察することが重要であると考えられる。本報では銅フタロシアニソブルーを表面処理し, 3 種類の表面性質の異なる顔料を試料として,相互作用の結果発生するζ電位を詳細に検討した。その結果,溶剤やモノマー系での銅フタロシアニソブルー顔料の分散安定性はζ電位の有無・大小にのみに支配されること,さらに界面電位が界面における極性物質の分極・解離することにより発生し,分極・解離は系の誘電率と深く関わっていることが明らかになった。一方銅フタロシアニンブルー顔料と極性物質との相互作用は,表面麺理の違いにより大きな差を示した。しかしながら非水系において界面電位による安定性には,限界があることを確認した。

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