空気-アセチレンフレームを用いるクロムの原子吸光分析における鉄の干渉の除去

書誌事項

タイトル別名
  • Elimination of Iron Interference on Atomic Absorption of Chromium with Air-Acetylene Flame

説明

空気-アセチレンフレームを用いるクロムの原子吸光分析における鉄の干渉現象を検討し,干渉機構を考察するとともに干渉除去法について研究した。<BR>クロムに鉄(III)を共存させて噴霧すると,鉄(III)はクロム(III)の吸光に対しては抑制効果を示し,クロム(W)に対しては鉄の濃度が低いときは増感効果を示した。しかし,鉄の濃度が高いときは抑制効果を示した。鉄の干渉は,少燃料フレームより多燃料フレームにおいて顕著であった。ヒドロキシルアミンはクロムの吸光に対する鉄の干渉をいちじるしく抑える効果を示した。これは,ヒドロキシルアミンによって鉄(III)が還元されて鉄(III)に変化したことによるものと考えられる。試料溶液中の元素の酸化状態が干渉に重要な役割を演ずることを示すものである。ヒドロキシルアミンおよびo-フェナントロリンを添加することにより鉄の干渉を完全に除去することができた。有機配を位子がフレーム中において難輝発性の鉄とクロムとの混合酸化物の生成を妨げ,混合酸化物が生成する前にクロムが原子化するために干渉が現われないのであろう。<BR>ヒドロキシルアミンとひフヱナントロリンとを用いる干渉除去法を応用して原子吸光分析法による鋼中のクロムの定量を行ない,精度ならびに正確さの点で良好な結果を得た。

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