熱拡散管による硫化水素の分解と生成水素の濃縮

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タイトル別名
  • Decomposition of Hydrogen Sulfide and Enrichment of Hydrogen Produced by Use of Thermal Diffusion Columns
  • 熱拡散法による混合気体の分離 VI  熱拡散管による硫化水素の分解と生成水素の濃縮

抄録

熱拡散管を反応器として使い,硫化水素の接触分解と生成水素の濃縮を研究した。この装置の特色は,反応と同時に生成物を反応系から分離,除去する性能がある。したがって結果的にある温度で進行しにくい反応でも実現できると予想した。<BR>装置として内径24mmまたは32mmで冷却部100crnのパイレックスガラス管を低温壁とし,外径12mmで電熱部100cmの石英パイプヒーターを高温壁とする熱拡散管を用いた。高温壁には分解触媒として各種の金属硫化物をそれぞれ金属に換算して19塗り,性能を比較した。高温壁温度を500℃としたときの,これら触媒の初期活性の順序はつぎのとおりである。<BR>硫化クロム>硫化コバルト>硫化ニッケル>硫化鉄<BR>触媒活性は35~45時間の操作中,減少しなかった。水素/硫化水素混合気体の分離,高温壁温度の影響,器壁間隔の影響に関しで竃研究された。また熱拡散管内の水素濃度分布が測定された。<BR>結果は予想と致し,最適操作条件下(高温壁温度:500。C,器壁聞隔:6mm,触媒;硫化クロム)で,4時間後に40%の硫化水素が分解され,熱拡散管の上端から96%の濃度の水素を得た。

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