ポリエチレンテレフタレートの延伸とガラス転移温度以下の熱処理による非晶質の構造変化

書誌事項

タイトル別名
  • Change of Amorphous Structure of Poly (ethylene terephthalate)Induced by Drawing and Subsequent Annealing at Temperatures below Glass Transition Temperature

説明

非晶性ポリエチレンテレフタレートを2.0倍まで,いろいろな倍率に延伸し,その試料をガラス転移温度以下で熱処理することによって,延伸および熱処理の過程における非晶の構造の変化を密度,差動熱量計,赤外吸収スペクトル,誘電測定から考察した。その結果,つぎのよりな結果を得た。<BR>(1)延伸倍率1.5倍までは,密度,トランス量およびガラス転移温度は減少するが,誘電吸収極大周波数fmaxは高周波側に移行する。(2)1.5倍以上2.0倍延伸試料においては,密度,トランス量は延伸倍率とともに増加し,fmaxは低周波側に移る。(3)熱処理によって,密度,トランス量(ただし1.25倍延伸試料を除く),ガラス転移温度は増加するが,fmaxは減少する。(4)340°K付近にみられる吸熱ピークは,延伸によりいちじるしく小さくなり,熱処理によりふたたび大きくなる。<BR>以上の結果から,非晶性無配向ポリエチレンテレフタレートは延伸初期において,自由体積が増加し,熱処理によりもとにもどることがわかる。さらに非晶域にも構造があり,延伸によりその構造がこわれ,ガラス転移温度以下の熱処理によっても構造が再編成されることが推察される。

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