書誌事項
- タイトル別名
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- A Molecular Orbital Approach to the Reaction Mechanism of Methyl Radical with Ethylene
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説明
エチレン分子にメチルラジカルの付加する反応に関し,CNDO/2分子軌道法を用いて考察を行なった結果,つぎのようなことが明らかとなった。すなわち,この反応は分子間の軌道の重なりが生じ始める反応初期と,プロピルラジカルとなる反応後期とでは電荷移動の方向が異なり,この反臨は二段に進行するものと考えられる。まず,反応の初期においては,エチレン分子からメチルラジカルへの電子の移動が主として起こり,この段階では,エチレン分子の最高被占軌道(HOMO)とラジカル分子の最低空軌道(LUMO)の相互作用が反応の促進に重要な働きをしており,ここではエチレン分子のHOMOがラジカル分子の接近方向を決定している。反応後期のプロピルラジカルの生成に関しては,反応初期の場合とは逆にメチル部分からエチレン部分への電子移動が主となり,この段階ではエチレン分子のLUMOとラジカル分子のHOMOの相互作用が重要な働きをし,ここではエチレン分子のLUMOがラジカル分子の移動方向を決定するという結果が得られた。
収録刊行物
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- 日本化学会誌(化学と工業化学)
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日本化学会誌(化学と工業化学) 1976 (12), 1869-1873, 1976-12-10
公益社団法人 日本化学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204418419072
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- NII論文ID
- 130004155500
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- ISSN
- 21850925
- 03694577
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可