フェノール類と塩化シアヌルのFriedel-Crafts反応

書誌事項

タイトル別名
  • Friedel-Crafts Reactions of Phenols with Cyanuric Chloride

説明

塩化アルミニウムの存在におけるフェノール類と塩化シアヌルの反応をo-ジクロロベンゼンおよびベンゼン中で行なった。P-クロロフェノールと塩化シアヌルのモル比3:1の反応ではO-s-トリアジニル化によりトリス(ρ-クロロフェノキシ)-S-トリアジンが得られたにすぎなかったが,p-クレゾールとの反応ではトリス(ρ-トリルオキシ)-s-トリアジソのほかに2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(P-トリルオキシ)-s-トリアジンや2,4-ビス(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-6-(P-トリルオキシ)-s-トリアジンのようなC-s-トリアジニル化物が得られた。しかしm-クレゾール,レゾルシン,α-およびβ-ナフトールなどの場合はすべての生成物はC-型で,フェノール類の対求電子試剤反応性がこれらの反応の経過に重要な役割を果たしていることがわかる;低い反応性のフェノールを用いるとO-型縮合が優先し,高い反応性のフェノールではC一型縮合が優先し,かクレゾールのような中位の反応性のフェノールの場合は0-型,C-型の縮合がどもに起こった。m-クレゾール,レゾルシンおよびβ-ナフトルの場合はC-型縮合は水酸基ヘオルト位で起こり,塩化シアヌルとのモル比1:1の坪応にもかかわらず1個のs-トリアジン環に2個および3個のフェノール核を有する縮合物が得られた。これらの場合一次および二次縮合物は塩化アルミニウムとの錯体におけるキレート環の存在によりその残存塩素の反応性が塩化シアヌルのそれより大きく,そのためフェノール類と優先的に反応したと考えられる

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