ポリエステルのプロトンNMRスペクトル

書誌事項

タイトル別名
  • Proton NMR Spectra of Polyesters

抄録

NMRを利用してポリエステルの組成を定量分析する目的で,まず通常用いられる一塩基酸1種,二塩基酸16種,多価アルコール11種のNMRスペクトルを解析し,プロトンシグナルの帰属について考察した。ついで,これらの酸およびアルコールを用いたポリエステル24種について考察した。標準化合物としては,原料成分の官能基をポリエステルの官能基に近似させ,また同一の溶媒を使用できるようにするため,酸成分については低級1価アルコールのエステルを,アルコール成分についてはアセチル化物を用いた。<BR>酸成分には,それぞれ区別しやすい特性吸収があり,同定は比較的容易である。しかしながら,多緬アルコールの特性吸収は重なりあい,多成分混合系においては,アルコールの種類を区別し難い例があり,この場合には,他の分析法によって含有成分を確認しなければならない。すべてのシグナルが帰属されたポリエステルのスペクトルを分解し,得られた単一の酸成分およびアルコール成分のスペクトルは,純粋に得られた標準化合物のスペクトルに,きわめてよく一致した。迅速にかつ正確に,ポリエステルの組成を定性ないし定量できることを示した。

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ