地域の再生可能エネルギーを題材にした環境学習プログラムの開発

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タイトル別名
  • Development of an Environmental Learning Program on the Regions Renewable Energy
  • チイキ ノ サイセイ カノウ エネルギー オ ダイザイ ニ シタ カンキョウ ガクシュウ プログラム ノ カイハツ

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抄録

環境教育の目的は,持続可能な社会づくりに貢献する人材の育成である。持続可能な社会の具体例として,共生社会,自然調和型社会,資源循環型社会,低炭素社会があげられる。近年,低炭素社会を対象にした環境学習プログラムの開発は増加傾向にある。低炭素社会の実現を考えるうえで,地域特性を踏まえて,太陽光,風力,中小水力,地熱,バイオマスなど,再生可能エネルギーの導入を考えることが望ましい。本研究では,地域の再生可能エネルギーを題材にした環境学習プログラムを開発した。研究対象は2050 年に県内の二酸化炭素の排出量と吸収量の差をゼロにする目標を宣言した山梨県である。本論文では,小学校高学年を対象とした「二酸化炭素ゼロやまなし」のテーマを取り上げる。地球温暖化対策実行計画,再生可能エネルギーの導入計画,都道府県別エネルギー消費統計など,地域の資料に基づき,教材開発を行うことを試みた。<br>2010 年11 月,筆者が作成した学習指導案やワークシートなどを通じて,協力校の担当教員が試行授業を実践した。小学校5 年生30 名,小学校6 年生28 名が計3 授業時間をそれぞれ受講し,授業前後にアンケート調査を実施することにより,プログラムの内容を検証した。その結果,授業前後のアンケート調査の比較から,地域に密着した環境学習の有効性や環境問題に対する当事者意識の向上が定量的に明らかになった。アンケート調査の自由記述からも環境保全を意識した身近な行動に結びつける内容がみられた。担当教員からは,世界規模から身近な問題へ変わっていく構成面において高い評価を受けた。試行授業の検証を踏まえて,やまなし環境プログラムの冊子版48 ページおよび概要版を作成し,2011 年3 月に山梨県内のすべての小・中学校に配布した。また,学習指導案,ワークシート,スライド資料などの電子データが山梨県のホームページに公開された。

収録刊行物

参考文献 (33)*注記

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