高頻度調査に基づく河川の窒素・リン流出負荷量の評価

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of the amount of nitrogen and phosphorus runoff load from rivers based on the high-frequency survey
  • 高頻度調査に基づ<河川の窒素・リン流出負荷量の評価
  • コウヒンド チョウサ ニ モトズ<カセン ノ チッソ ・ リン リュウシュツ フカリョウ ノ ヒョウカ

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説明

三河湾東奥部へ流入する梅田川(愛知県豊橋市南部)において,潮汐の影響を受けない河口から約7km 地点に定点を設け,2010 年4 月から2011 年3 月までの期間,河川の水質モニタリングを実施した。定期調査では一日一度の採水,降雨時調査では一時間に一度採水した。調査期間内の全窒素(TN),溶存態窒素(DN),全リン(TP),溶存態リン(DP)の平均濃度(標準偏差)は8.37 mg/L(1.94),7.22 mg/L(1.80),0.59 mg/L(0.19),0.41mg/L(0.08)であり,リンは懸濁物質の影響を受けて,分布にばらつきがあることがわかった。一方で,実測濃度に採水時の流量を乗算した負荷量は,降雨に伴い負荷量が急増するものの,それを除くと年間を通じてほぼ一定の値であった。<BR>調査結果と連続流量データを用いて,濃度・流量一定法,濃度一定法,LQ 式の対数法と直接法による算出など8 つの推定法について検証し,TN 及びTP の最適な年間流出負荷量算出方法についての評価を行った。<BR>全268 日の定期及び18 回の降雨時調査結果と流量連続データを用いて算出した推定法では,年間比流量が1.2 × 106 m3/year/km2,TN 年間比負荷量が8.3 t/year/km2,TP 年間比負荷量1.1 t/year/km2 となり,本研究の中で最も精度の高い算出法によって求めた値と考えられた。この結果を基に,他の推定法について検証したところ,TN では高流量時と低流量時を分けたLQ 式の直接法で推定する方法で8.9 t/year,TP では一つのLQ 式の直接法で推定する方法で1.3 t/year となり,本研究の中で最も精度の高い算出法によって求めた値と同等の値を算出することができた。<BR>河川の水質は一年を通して一定ではなく,内湾湖沼への汚濁物質の精度の高い流入負荷量を算出するには,降雨時調査が重要であることが明らかとなった。

収録刊行物

  • 環境科学会誌

    環境科学会誌 26 (2), 140-149, 2013

    社団法人 環境科学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (17)*注記

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