東京都内一般歯科診療所受診者における顎関節症スクリーニングと性別就業内容に関する予備研究

  • 杉崎 正志
    東京慈恵会医科大学歯科
  • 高野 直久
    東京都歯科医師会
  • 林 勝彦
    東京慈恵会医科大学歯科
  • 齋藤 高
    東京慈恵会医科大学歯科
  • 来間 恵里
    東京慈恵会医科大学歯科
  • 木野 孔司
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 全人的医療開発学系専攻 包括診療歯科学講座 顎関節咬合学分野
  • 西山 暁
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 全人的医療開発学系専攻 包括診療歯科学講座 顎関節咬合学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A pilot study on the relationship between descriptions of job contents by gender and screening for temporomandibular disorders in dental patients at general clinical offices in Metropolitan Tokyo using a questionnaire

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抄録

著者らは都内就労者の顎関節症患者の寄与要因として,女性では抑うつ感(オッズ比1.37)と疲労持続感(オッズ比1.30)が,男性では疲労持続感(オッズ比1.55)が選択され,顎関節症と性別就業内容には関連性があることを報告した。本研究の目的は,性別に就業内容と顎関節症の関係を試験的に調査することである。<br> 対象および方法:東京都歯科医師会の協力の下に,東京都8020運動推進特別事業として都内一般歯科医院13施設に検診希望として来院した希望者にアンケート調査を実施し,回答が得られた253名を対象とし,連結不可能匿名化二次データとして用いた。このなかの記入漏れのない244名から,質問項目の通勤時間が「1」以上であった症例を含有基準として解析した。質問票には顎関節症スクリーニング質問票(4項目),性,年齢,就業内容調査質問(8項目)が含まれ,二項ロジスティック回帰分析を中心に解析した。<br> 結果:性別で年齢に差はなく,就業内容の性差では運転時間,会議時間は有意に男性が長く,就寝までの時間は女性が有意に長かった(補正値:p=0.05/9=0.0055)。パソコン使用時間は性差がみられなかった。スクリーニングでの顎関節症陽性群と陰性群で就業内容に差はみられなかった。性別二項ロジスティック回帰分析では,女性のみでパソコン使用時間がオッズ比1.85(p=0.031)で有意であった。<br> 結論:顎関節症と就業内容の関連性には性差や年代の関与が示唆され,就業内容としては女性のパソコン業務が発症要因として示唆された。<br>

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参考文献 (15)*注記

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