扁桃炎・上気道炎に伴う反応性関節炎

説明

レンサ球菌などの微生物感染による扁桃炎・上気道炎が起こり, この感染に起因して反応性関節炎 (感染症関連関節炎) が起こる. この反応性関節炎では関節内に生菌は存在せず (無菌性関節炎), 抗生物質の投与または扁桃摘出術によって完治する. この病態は, いわゆる「病巣感染」である. 関節炎を起こす疾患や病態は数多く存在し, 多くの疾患・病態を鑑別しなければならない. 本疾患では, 多くの場合, 患者血清中のリウマトイド因子 (RF) は陰性であり, RF陰性の関節炎の診断の際には本疾患を念頭に入れて診断・治療する必要がある. 臨床の現場では, 扁桃炎を合併した関節リウマチの発症初期には鑑別が困難である. 我々が経験した扁桃摘出術を行った関節リウマチの4症例では, 臨床経過が比較的軽微である傾向があった. 一般的に完治する関節炎は少ないことを考え, 反応性関節炎, 掌蹠膿疱症に伴う関節炎などが考えられる症例については, リウマチ・膠原病科医は, 病巣感染に精通した耳鼻咽喉科医との綿密な医療連携が重要であると考える.

収録刊行物

  • 口腔・咽頭科

    口腔・咽頭科 19 (2), 203-214, 2007

    日本口腔・咽頭科学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204425211136
  • NII論文ID
    130004161227
  • DOI
    10.14821/stomatopharyngology1989.19.203
  • ISSN
    18844316
    09175105
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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