書誌事項
- タイトル別名
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- Development of Multiplex PCR Method Utilizing Pooled Sample for Screening of Virulent Enterobacteria
- プール シタ フンベンケンタイ オ シヨウ シタ マルチプレックス PCRホウ ニ ヨル サルモネラ,チョウカン シュッケツセイ ダイチョウキン,セキリキン ノ スクリーニングホウ ノ カイハツ
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説明
サルモネラ,腸管出血性大腸菌,赤痢菌の検便検査の多数の検体から陽性検体をスクリーニングする方法として,プールした糞便検体から核酸の抽出精製や増菌培養を経ないマルチプレックスPCRでこれらの菌を検出する方法が検討された.<br>1) マルチプレックスPCR法を用いることにより,100個の検体をプールした中から,1個の7×104cfu/g のサルモネラ陽性検体を含む場合,1個の7×104cfu/g の腸管出血性大腸菌O157陽性検体を含む場合,1個の4×104cfu/gの赤痢菌陽性検体を含む場合を検出することができた.培養法での検出限界はサルモネラおよび腸管出血性大腸菌O157で7×104cfu/g,赤痢菌で4×105cfu/gであったので,100個以下の検体をプールした場合,マルチプレックスPCRで検出すれば培養法と同等以上の感度で検出でき,スクリーニング法として有効な感度であることが示された.<br>2) 他方,マルチプレックスPCRにより死菌が検出される可能性を検証するため,ゲノムDNAを糞便に添加したモデル試料を作製し検出を試みた.その結果,糞便中に添加したゲノムDNAはマルチプレックスPCRでは検出されず,ゲノムDNAが糞便中に溶出した死菌が検出される可能性は低いと思われた.<br>3) 実際の検便検体2,000検体を50検体ずつプールしてマルチプレックスPCRで検出しスクリーニングを行った.スクリーニングを行わず培養法で検査を行った場合との相関は,陽性一致率100%,陰性一致率99.95%であった.<br>以上の結果より,本研究で検討された方法は,検便検査の多数の検体から陽性検体をスクリーニングする方法として有効であると思われた.
収録刊行物
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- 日本食品微生物学会雑誌
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日本食品微生物学会雑誌 29 (2), 101-107, 2012
日本食品微生物学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204425973632
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- NII論文ID
- 130004518993
- 10030806817
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- NII書誌ID
- AN10552871
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- ISSN
- 18825982
- 13408267
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- NDL書誌ID
- 023868131
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可