咽喉頭酸逆流症(Laryngo Pharyngeal Reflux Disease)について

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説明

胃酸逆流によって引き起こされる疾患群はGERD (Gastroesophageal reflux disease) という疾患概念の中で診断され治療される.欧米では古くより胃酸逆流と下咽頭, 喉頭疾患との関連は指摘されており, その関係を記した報告も数多くなされている.本邦では, 1995年咽喉頭酸逆流症に関する報告は著者の報告が最初である.最近ではGERDの中でも特に耳鼻咽喉科領域の症状を訴えるものをLPRD (Laryngopharyngeal reflux disease), 日本語では「咽喉頭酸逆流症」 (第4回GERDと咽喉頭疾患研究会新美成二会長当時) と呼んでいる.平成16年度日本耳鼻咽喉科学会認定専門医試験問題でGERDに関する出題もあった事は特筆すべき事である.実際の胃酸逆流に関連した耳鼻咽喉科領域の主な症状, 疾患として, 1.咽喉頭異常感 (globus sensation) 2 .嗄声3.慢性の咳嗽4.耳痛5.喉頭肉芽腫などが挙げられている.耳鼻咽喉科領域において胃酸逆流の存在は見過ごされがちであったが, GERDの治療をすることにより症状が軽快する症例が存在することは明らかであり, 耳鼻咽喉科医であっても胃酸逆流を念頭におきながら診療にあたることが重要であり, さらに患者のQOL向上につながると考える.

収録刊行物

  • 口腔・咽頭科

    口腔・咽頭科 17 (2), 227-230, 2005

    日本口腔・咽頭科学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (7)*注記

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