IgG4 関連疾患: SMART データベースから日常診療へ

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical practice of IgG4-related disease from the SMART database

この論文をさがす

抄録

IgG4 関連疾患は, 高 IgG4 血症と腫大した罹患臓器への著明な IgG4 陽性形質細胞浸潤と線維化を特徴とする, 新しい全身性, 慢性炎症の疾患概念である. ミクリッツ病は, 自己免疫性膵炎とともに, IgG4 関連疾患の2大病態である. 現在, ミクリッツ病は, IgG4 関連疾患の涙腺・唾液腺病変と位置づけられ, IgG4 関連涙腺・唾液腺炎とも呼称されている. 私たちは多施設で IgG4 関連涙腺・唾液腺炎の症例データベース (SMART) を構築し, 日常診療に不可欠な情報の抽出に取り組んでいる. IgG4 関連疾患の涙腺・唾液腺炎では, 膵, 腎などに多彩な臓器障害が約6割で認められる. また悪性腫瘍の合併のリスクがあるため, 診断時には, 全身検索とともに組織学的診断を行うことが重要である. 治療は, 現時点ではステロイド治療が第一選択であるが, 漸減とともに再燃することが多い. 初回病変とは異なる臓器に再燃を認めることがあるため, 全身的なフォローアップが必要である. このため, ステロイド維持療法が行われている症例が多い. 長期的な予後は不明であるが, SMARTからは, 診断後7年で約半数の症例が再燃を認める.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ