多形腺腫とワルチン腫瘍が同側に発生した耳下腺腫瘍2症例

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タイトル別名
  • Synchronous pleomorphic adenoma and Warthin's tumor in the unilateral parotid gland

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説明

耳下腺腫瘍の中で, 多形腺腫とワルチン腫瘍は頻度の高い腫瘍であるが, 同一腺に両方の腫瘍が認められるのは極めてまれである. 今回一側耳下腺に多形腺腫とワルチン腫瘍が同時にみられた2症例を経験したので考察も含め報告する.<br>症例1: 60歳男性<br>左耳下腺部に4×5cm大の弾性軟, 可動性良好の腫瘍を触知し検査からワルチン腫瘍の悪性転化またはワルチン腫瘍と多形腺腫の合併を疑い全身麻酔下に耳下腺腫瘍摘出術を施行した. 術後の病理検査では上方が多形腺腫, 下方がワルチン腫瘍と診断された.<br>症例2: 65歳男性<br>左耳下腺部に3.5×4cm大の弾性軟, 可動性良好の腫瘍を触知し検査よりワルチン腫瘍を疑い全身麻酔下にて耳下腺腫瘍摘出術を施行した. 病理検査にて最大径4cmの腫瘍は多形腺腫, 周囲リンパ節と思われた腫瘤はワルチン腫瘍と診断された.<br>異なる組織型を同側に認めた症例は極めてまれであるが, MRIやCTなどの画像のみでは診断がつかない場合もあるためFNAや核医学も考慮, 選択し総合的判断することが望ましい.

収録刊行物

  • 口腔・咽頭科

    口腔・咽頭科 25 (1), 113-119, 2012

    日本口腔・咽頭科学会

参考文献 (11)*注記

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