ケアミックス型病院におけるNSTのアウトカム評価~感染に対する効果とPEG患者に対する経口摂取への取り組み

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  • Outcome of nutritional management by NST in geriatric hospital

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抄録

当院は、199床のいわゆるケアミックス型病院で、80歳以上が6割を占める。今回は、当院におけるNSTのアウトカムにつき報告する。栄養管理法は、NST稼動によりTPN症例がほとんどなくなりEN症例が増加、その中でも経鼻胃管が減少しPEGが増加した。院内感染菌培養陽性件数は1/2に減少し、抗生剤使用量も減少した。抗真菌剤、バンコマイシン製剤購入量も激減した。栄養管理法の適正化が図られることで、病院全体として感染に対する効果が得られ、経済的効果につながった。PEG造設パスを、術前からNSTが関与する、術後2週目に嚥下評価を施行する形式に改変したところ、PEG造設時の栄養状態は、血清Alb値が有意に上昇し、当院で造設したPEG患者の食事摂取併用率、PEG離脱率もそれぞれ上昇した。NSTが積極的に関与することで患者のQOL向上に寄与できた。ケアミックス型病院では、対象症例が栄養介入の必要性の高い高齢者がほとんどであり、実践的なNSTを稼動させれば、臨床的にも経済的にもその効果は非常に大きい。

収録刊行物

  • 静脈経腸栄養

    静脈経腸栄養 21 (1), 1_57-1_62, 2006

    日本静脈経腸栄養学会

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