精神科病棟における患者の語りを聴く看護師の体験 : 病棟における参加観察から

書誌事項

タイトル別名
  • Nurses' Experience of Attending to Patients' Narratives : Participant Observation in a Psychiatric Ward
  • セイシンカ ビョウトウ ニ オケル カンジャ ノ カタリ オ キク カンゴシ ノ タイケン : ビョウトウ ニ オケル サンカ カンサツ カラ

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抄録

【目的】精神科病棟でのフィールドワークを通して,看護師が患者と関わる中でその語りを聴こうとするとき,どのような体験をするのかを明らかにし,精神科入院治療における看護師-患者関係の治療的意味とその難しさについて考察する.【方法】参加観察法を用いた実践研究.一病棟(精神科亜急性期)にて1年10ヶ月の間,毎週1回,計84回参加観察を行い,6名の患者との関わりを記録し分析した.【結果および考察】患者と看護師の関わりは他職種と比べて,時間,場所,内容の枠組みが曖昧で,患者の語りは言葉だけでなく身体接触からも生じていた.妄想や幻聴により断片化し混沌とした患者の語りを理解する手がかりとして間主観的接触が重要な役割を果たすことが明らかになった.しかし,その体験は看護師の不安を刺激し,防衛としてのルチーン化した関わりを生み出すこともあった.

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