無機イオン交換体の合成および結晶化学に関する研究

  • 熊田 伸弘
    山梨大学大学院総合研究部附属クリスタル科学研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Study on Preparation and Crystal Chemistry of Inorganic Ion-Exchangers

抄録

<p>金属酸化物の一般的な合成法である固相反応や水熱反応を用いることで多く新しい化合物を合成することができ, その結晶構造解析および諸特性を明らかにした。固相反応では層状構造および三次元トンネル構造を持つアルカリ金属ニオブ酸塩を合成し, そのアルカリ金属イオンのイオン交換特性について調査した。層状構造を持つRb(Mg0.34Nb1.66)O5およびKFexTi1–2xNb1+xO5では層間のRb+およびK+イオンをプロトンとイオン交換することが可能であった。Rb(Mg0.34Nb1.66)O5のプロトン交換体では低湿度状態でも水和し, 固溶体KFexTi1–2xNb1+xO5ではxの値によって水和挙動に変化が認められた。三次元トンネル構造を持つCs3Fe0.5Nb5.5O16のCs+イオンはプロトンとイオン交換できなかったが, Cs+イオンの50%がRb+イオンとイオン交換が可能であった。水熱反応を用いることでリン酸ジルコニウム系およびビスマス酸化物系において多くの新しい化合物を合成し, その結晶構造および諸特性を明らかにした。ZrOCl2·8H2Oを出発物質とした水熱反応によって新しい7種類のリン酸ジルコニウムを合成することができ, 特異なイオン交換挙動を示す化合物もあった。NaBiO3·nH2Oを出発物質用いた水熱反応ではBi5+を含む多くの新しいビスマス酸化物を合成することができ, 一部の化合物では超伝導性や可視光応答の光触媒活性を示した。 </p>

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