書誌事項
- タイトル別名
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- Early puerperium involution of the uterus after Caesarian section:
- —アセスメント指標のための基礎データ—
- Basic data for use in an assessment index
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説明
目 的<br> 帝王切開後の子宮復古について経日的変化を明らかにし,子宮復古状態のアセスメントのための基礎的データを得ることを目的とした。<br>方 法<br> 単胎で正期産にて帝王切開分娩し,その後順調に経過した70名を対象に,産褥0日から7日目まで子宮底長および子宮底高を計測した。この70名のうち,悪露の色調に関する分析対象は48名であり,日々の悪露の色調の変化を自記式の質問票を用いて調査した。統計ソフトは,SPSS ver. 22.0を使用し,有意水準を5%未満とした。<br>結 果<br> 子宮底長(平均値)は,産褥0日の18.1cm±0.32(mean±SE)から徐々に下降し,産褥3日目には15.6±0.21cm,産褥7日目には13.4±0.20cmとなった。産褥2日目までは1日当たり約1cmずつ下降し(p<.01),さらに1cm下降したのは4日目および6日目であった(p<.01)。産褥0日の子宮底高(中央値)は臍下1横指,産褥3日目は臍下2横指,産褥6日目には臍下3横指となった。また,レンジが大きかった。<br> 褥婦が認識した悪露の色調は6日目から有意に変化した(p<.05)が,3割の褥婦はまだ赤色悪露が続いていた。<br>結 論<br> 帝王切開後の子宮底長は経腟分娩と比べ明確に異なり,大きかった。また触診による子宮底高の変化では,1横指下降に3日間を要すること,データのレンジが大きいことがわかった。特に触診値においては,そのアセスメントに個人差を考慮する必要がある。悪露の色調変化も同様に遅れる傾向を認め,子宮の退縮は経腟分娩に比し遅く,緩やかであった。<br> 正期産かつ単胎で術後順調な,極めて一般的でスタンダードな帝王切開事例を前提とした本研究結果は,産褥早期におけるCS後の子宮復古に関する基礎的データであり,評価基準の一つとなりうる。
収録刊行物
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- 日本助産学会誌
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日本助産学会誌 30 (2), 333-341, 2016
一般社団法人 日本助産学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204436013056
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- NII論文ID
- 130005439896
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- ISSN
- 18824307
- 09176357
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可