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- 林 正久
- 広島大学
書誌事項
- タイトル別名
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- THE GEOMORPHOLOGY OF THE HIMALAYAN FOOT-HILLS AND GLACIAL LANDFORMS OF THE LESSER HIMALAYAS IN THE PUNJAB HIMALAYAS
- ヒマラヤ山麓の地形と中ヒマラヤの氷河地形〔英文〕
- ヒマラヤ サンロク ノ チケイ ト チュウ ヒマラヤ ノ ヒョウガ チケイ エ
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説明
筆者は北西ヒマラヤのカングラ盆地の地形発達史,および盆地北部に位置する中ヒマラヤの一つ,ダウラダール山脈の氷河地形について調査し,特に山麓に広く分布する巨礫層の成因について考察を加えた。本地域の地形面は六つに分類され,高位の三つの地形面は,巨礫層からなる堆積面であることが明らかになった。最高位のダラムサラ面は最も古く,二番目のパランプール面と同様,無層理の巨礫層からなり,土石流,泥流の営力によってダウラダールからもたらされたものと考えられる。三番目のカングラ面は,本地域に最も良く発達し,巨礫層には層理がみられ,流水の営力と考えられ,氷期のaccumulation terraceに対比した。パランプール面の上部には,レス状堆積物がみられ,氷期に形成されたと考えることができる。パランプール面とカングラ面の形成期の間には,明らかな侵食期が.認められ,パランプール面のレス上部に,赤色土壌が形成された。これらの地形形成の年代を示す証拠は見つからなかったが,三つの巨礫層は,それぞれ氷期の堆積面と考えられる。カングラ面形成以来,これらの地形面は基準面の変化によって開析をうけ,さらに低位段丘I,II,IIIが形成された。カングラ面形成以後のシワリク丘陵の隆起は80mにも達する。ダウラダール山脈には,二群の氷食圏谷がみられ,その圏谷底の高さは,高位のもので4,200m,低位のものは3,200mであり,それぞれ二回の氷食期の存在を示す。さらに,3,800mの高度に谷氷河のモレーンがみられ,また2,800mの所にも断片的なモレーン稚積物がみられ,やはり二回の氷期を示す。ダウラダールの氷河が山麓のカングラ盆地にまで拡大した事実はないが,氷期には巨礫の生産が多く,巨礫層の形成に大きな影響を与えた。本地域の地形発達史,および北西ヒマラヤの他地域の発達史との対比を第3表に示す。
収録刊行物
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- 地理科学
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地理科学 22 (0), 25-42, 1975
地理科学学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204436316288
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- NII論文ID
- 110002959648
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- NII書誌ID
- AN00147775
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- ISSN
- 2432096X
- 02864886
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- NDL書誌ID
- 1582997
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- 本文言語コード
- en
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可