グラム陰性球菌, グラム陽性桿菌

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タイトル別名
  • 病院感染を起こす代表的な微生物 (感染経路と病原性)

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説明

グラム陰性球菌を代表する淋菌 (Neisseria gonorrhoeae) と髄膜炎菌 (N. meningitidis) は, いずれも乾燥, 温度変化, 光線, 消毒薬などに弱く, ヒト生体外では急速に死滅する性質をもつ. 従ってヒトからヒトへの濃厚な, あるいは直接の接触によってのみ感染が拡がる. このような性質から, 病院感染としての重要度は限定される.<BR>グラム陽性桿菌には, 好気性菌, 嫌気性菌を含め, 各種の菌属, 菌群, 菌種が含まれるが, 病院感染という視点から見ると, 抗菌薬投与に伴う下痢症の原因, クロストリジウム・ディフィシレ (Clostridium difficile) が最も重要な細菌である. 本菌が作る芽胞は煮沸や常用の消毒薬に強い抵抗性を示し, 病院環境が汚染されるとこれを根絶することはまず不可能である. また患者への抗菌薬, 抗癌剤の使用は院内環境への本菌の汚染を助長し, 患者個人には外毒素による大腸炎を来す.

収録刊行物

  • 環境感染

    環境感染 15 (Supplement), 33-36, 2000

    日本環境感染学会

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