一般・消化器外科病棟における緑膿菌による交差感染の検討

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タイトル別名
  • A Study of Pseudomonas aeruginosa Infection in a General Surgery Ward
  • イッパン ショウカキ ゲカ ビョウトウ ニ オケル リョクノウキン ニ ヨル コウサ カンセン ノ ケントウ

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抄録

佐賀大学医学部附属病院において, 緑膿菌の検出率が高い一般・消化器外科病棟で, どのくらいの患者が本菌による感染症を発症しているのか, またそれは交差感染なのかを明らかにする目的で研究調査を行った.<BR>2000年11月1日から2001年10月31日までの1年間に一般・消化器外科病棟に入院し, 各種臨床検体から緑膿菌が検出された35名の患者とその患者より分離された71株の緑膿菌株を対象とした. 緑膿菌の検出された患者は, 保菌が7名 (7/35=20%), 感染症が28名(28/35=80%) であった. 感染症の様式は,手術部位感染20名(20/28=71.4%), 肺炎7名 (7/28=25%), 尿路感染症1名 (1/28=3.6%) であった. 71株の緑膿菌株についてパルスフィールド電気泳動法(pulsed field gel elctorophoresis; PFGE) によるDNAタイプの解析を行なったところ, 緑膿菌は27タイプに細分化された. この中にはDNAタイプが一致するものがあり, それに基づいて5グループに分けることができ, 交差感染が疑われた. また, 同一患者から検出された緑膿菌は, 検体が異なっても同一のタイプを示すことが多く(p<0.01),内因性感染が考えられた.

収録刊行物

  • 環境感染

    環境感染 21 (1), 24-29, 2006

    日本環境感染学会

参考文献 (19)*注記

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