森林小流域における洪水流出減衰曲線に降雨規模が及ぼす影響

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  • Influence of Storm Event Magnitudes on Runoff Recession Curves in a Small Forested Catchment
  • シンリン ショウリュウイキ ニ オケル コウミズリュウシュツ ゲンスイ キョクセン ニ コウウ キボ ガ オヨボス エイキョウ

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抄録

<p> 山地流域における洪水流出減衰曲線は流域固有特性と考えられてきたが,降雨規模により同じかどうかは未解明である.そこで,滋賀県の森林小流域(信楽試験地)での約14年間の観測データを基に,降雨規模の減衰過程に及ぼす影響を検討した.規模の大きな降雨の場合は降雨量の増加はほぼすべて洪水流出量の増加となり,流出寄与域が流域全体に広がるので,寄与域固定型イベントと呼ぶことにした.流出減衰曲線は折れ点なくなめらかで,流出強度(q)とその時間的変化(-dq/dt)の間に両対数グラフ上で同一の直線関係があったことから,減衰特性が流域固有であることが確認された.中間型降雨の場合もqと-dq/dtの間に同様の直線関係があったが,寄与域固定型の場合の直線と一致せず平行な直線上にプロットされた.中間型降雨では寄与域固定型と流出貯留関係は同じであるが,流出寄与域が流域全体に広がっていないことを意味しており,流出寄与域内の鉛直不飽和浸透流が減衰曲線を産み出していると推測された.中間型の一部と夕立型の降雨の場合に,降雨終了直後に急激な減衰が認められ,局所的な流出と推測されたが,流出機構の議論は今後の課題として残された.</p>

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