腰椎椎間板ヘルニアの保存療法とその適応  腰部椎間板ヘルニアに対する椎間板内ステロイド注入療法

  • 伊藤  茂彦
    岐阜県立多治見病院整形外科〔〒507-8522 多治見市前畑町5-161〕
  • 室 捷之
    岐阜県立多治見病院整形外科〔〒507-8522 多治見市前畑町5-161〕

書誌事項

タイトル別名
  • Intradiscal steroid injection for lumbar disc herniation
  • 腰部椎間板ヘルニアに対する椎間板内ステロイド注入療法
  • ヨウブ ツイカンバン ヘルニア ニ タイスル ツイカンバン ナイ ステロイド チュウニュウ リョウホウ

この論文をさがす

説明

腰部椎間板ヘルニアに対する椎間板内ステロイド注入療法(SIDTと略)について述べた.手技自体は椎間板造影の後にステロイド剤を注入するだけのものであり,ベタメサゾン懸濁液を1椎間当たり5 mg注入を原則として継続してきた.治療効果はEとGの合計を有効率とみなした場合,6カ月の短期成績で60.1%,5年以上の長期成績で64.4%という比較的良好な成績を得た.年齢別では10歳台は31.4%とやや劣っていたが,60歳台は100%と非常に優れていた.神経根ブロックとの比較では,下肢痛の軽快にはブロックが優位であったが,腰痛を含めた全般的改善度はSIDTの方が勝っていた.フランスで問題となったトリアムシノロン注入後の脊柱管内靱帯石灰化という副作用に関して,当院でのベタメサゾン使用に対する発生率は3.8%で,腰椎下位三椎間の中で造影剤のみ,何も注入していない椎間にも発生しており,程度も軽く臨床上問題なく,合併症としての危険性はないと判断した.

収録刊行物

参考文献 (5)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ