郊外農業流域におけるリン流出量推定への SWATモデルの適用可能性

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タイトル別名
  • <b>Applicability of SWAT Model for Estimation of Phosphorus Discharge in a </b><b>Suburban Catchment </b>
  • コウガイ ノウギョウ リュウイキ ニ オケル リン リュウシュツリョウ スイテイ エ ノ SWAT モデル ノ テキヨウ カノウセイ
  • Applicability of SWAT Model for Estimation of Phosphorus Discharge in a Suburban Catchment

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説明

 本研究では,リンの負荷量の多い郊外農業流域を対象として,リン流出量の評価に対するSoil Water Assessment Tool(SWAT)モデルによる適用可能性を明らかにすることを目的とし,流量,SS濃度,懸濁態および溶存態リン濃度の再現性の確認とリン流出量の評価を行った.その結果は以下のとおりである.流量の再現性は,日流量として年間を通じて精度良く再現できた.しかし,高流量時には推定値が過大もしくは過小評価することがあり,その原因として気象データの時間的および空間的な解像度の影響が示唆された.SS濃度の再現性は米国で開発された経験的な土砂流出量の推定式による計算であったが,概ね再現することができた.懸濁態リン濃度はSS濃度と同様に再現することができたことから,主に土壌浸食によって発生する懸濁態リンの推定については,適用可能であることが示唆された.ただし,溶存態リン濃度の再現に関しては,都市部での推定法に改良の余地があり,生活排水の影響が強い流域を対象とする場合に誤差が生まれる可能性が示唆された.本研究では,生活排水を強制的にポイントソースとして考慮させることによって良い再現性を得ることができた.以上のことから,生活排水の影響が強い流域を対象とする場合には注意が必要であるが,リン流出量の推定に対して,我が国の郊外農業流域へSWATモデルが適用可能であることが明らかとなった.

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